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小千谷の雛祭りにおける絵紙飾りの習俗(おぢやのひなまつりにおけるえがみかざりのしゅうぞく)
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更新日:2019年6月26日更新
絵紙(えがみ)とは、多色刷りの浮世絵(錦絵)を指す小千谷の言葉であり、旧小千谷町を中心とする地域には、雛祭りの際に雛人形とともに絵紙を飾る習俗が伝えられています。絵紙は、大判の浮世絵3枚続きのものを縦に4~5段につなぎ合わせた壁掛け状のものが多く、屏風に仕立てたものも存在します。豪雪地帯である当地では、雛祭りには桃の花ではなくカタコ(かたくり)の花を飾るほか、市松人形や縮糸で作った手鞠などの飾りも多くみられます。
この習俗は、小千谷と江戸を交易する縮商人が、江戸土産として絵紙を持ち帰ったことから当地に定着したといわれています。小千谷に残っている絵紙の多くは江戸時代末期~明治時代のものであり、この時期に絵紙飾りの習俗が成立したと考えられます。小千谷市内には、およそ6,000点の絵紙が確認されており、これほど多くの絵紙が一般家庭に残されている地域は、全国において例がありません。
小千谷市内では、毎年2月下旬から3月にかけて、雛人形とともに絵紙を飾り付ける習俗がみられます。
文化財指定日 2019年6月18日
小千谷の雛祭りにおける絵紙飾りの習俗の写真1(撮影:青山紀子)
小千谷の雛祭りにおける絵紙飾りの習俗の写真2(撮影:青山紀子)
小千谷の雛祭りにおける絵紙飾りの習俗の写真3(撮影:青山紀子)