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日本農業遺産に認定「雪の恵みを活かした稲作・養鯉システム」
日本農業遺産に認定「雪の恵みを活かした稲作・養鯉システム」
小千谷市や長岡市、両市の住民団体、JA、錦鯉関連団体などで構成する「長岡・小千谷『錦鯉発祥の地』活性化推進協議会」が申請した、新潟県中越地域(長岡市、小千谷市)の「雪の恵みを活かした稲作・養鯉システム」が、日本農業遺産に認定されました。
これは、この地域に脈々と受け継がれてきた農業システムが日本を代表するものとして認められたことを意味しており、市民の誇りと地域のブランドのイメージアップにつながります。
今後、日本の宝・クールジャパンブランドとして世界に発信します。
認定のポイント
・錦鯉の発祥の地であり、育種や品質の高い錦鯉の生産技術が発展した地でもある。現在も世界で行われている錦鯉育種に用いる原種の供給地であり、世界的に見ても独自性の面で確固たる地位を築いていると考えられる。
・中山間地で水を確保するための、マキの協働作業による湧水や横井戸、雪溶け水の利用や、冬期湛水、渇水時に養鯉用の水を稲作にまわす仕組みなどの、当地の環境に適応した伝統的で独特な技術や知見は、高いレジリエンスを有する。
・1年を通じ谷地に棚田と棚池が入り組んで並ぶランドスケープは特有のものである。
日本農業遺産について
農林水産省が平成28年度に創設した制度。
社会や環境に適応しながら形づけられた伝統的な農林水産業と、それに関わって育まれた文化、景観、生物多様性などが一体となった農林水産業システムで、特に重要性を有するものを認定。
平成28年度申請では、全国19件の申請のうち、当件を含む8件が第1号に認定されました。
申請者
長岡・小千谷「錦鯉発祥の地」活性化推進協議会
(事務局:長岡市農林水産部農水産政策課、小千谷市農林課)
認定までの流れ
平成28年4月12日 | 農林水産省が「世界農業遺産への認定申請に係る承認及び日本農業遺産の認定に関する実施要領」を公表 |
9月30日 | 申請書提出 |
11月24日 | 1次審査(書類審査)通過 |
12月6日 | 現地調査(東山地域、長岡市山古志地域) |
平成29年2月24日 | 最終審査(プレゼンテーション) |
3月14日 | 結果発表 |
4月19日 | 認定証授与式(農林水産省) |
市長コメント
本日(3月14日)、長岡・小千谷「錦鯉発祥の地」活性化推進協議会として認定を申請していた「雪の恵みを活かした稲作・養鯉システム」の日本農業遺産への認定が決定したと農林水産省より発表されました。
このシステムは、豪雪・地すべり多発地帯である旧二十村郷地域で暮らす人々が過酷な自然環境と向き合い、共存するための様々な営みや取組を通じて培った知恵や技術、文化及び社会的な繋がりなどのあらゆるものが関わり合いながら形成され、少しずつ形を変えて脈々と受け継がれてきたものです。
これが、後世に残すべき重要な遺産として評価されたことは、地元市長として誠に誇らしいことであると同時に、先人達の偉大さに心から敬意を表するものであります。
これからも日本農業遺産への認定に応えるべく、市としてもこの地域で作出された「錦鯉」を核とした産業振興を図るとともに、地域の伝統・文化が継承されるように全力で支援していきたいと考えております。
平成29年3月14日
小千谷市長 大塚 昇一