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「牛の角突き習俗」をめぐる勉強会が開催されました
10月1日(土曜日)、サンプラザで「牛の角突き習俗」への理解を深めてもらうための勉強会が開催されました。
これは、平成25年の動物愛護管理法改正の際に「動物同士を闘わせる行為」が問題視され、その一つとして新潟の牛の角突きが話題にあがったことから、小千谷闘牛振興協議会が研究者と協働して行っているものです。
第2回となる今回は、同法改正の際に環境省の検討小委員会で委員長を務めた林良博さんを講師に迎え、「人と動物との未来を考える~牛の角突き・錦鯉を後世に伝えゆくために~」と題して講演していただきました。
林さんは、牛の角突きを取り巻く状況やこれまでの取組みなどを説明し、「日本の文化として認識を高める努力と、他地域の闘牛との交流を深めながら共に向上する努力が必要である」と熱弁していました。
続いて、研究プロジェクトのメンバーである沖縄こどもの国園長の高田勝さんから、沖縄闘牛の抱えている問題点などについてお話しいただきました。
徳之島や沖縄の闘牛では、角を研ぎ、致命傷を負わせるような闘い方をすることがあるため、動物愛護団体から批難されてもおかしくないと思っていたそうです。そのような中、これまでは「文化」という言葉を盾にして逃げてきた面があったと指摘し、「文化の背景をきちんと表現して相手を説得させられなければ、このハードルを越えることはできないと思う」と話していました。
その後、「錦鯉」もまた、美しい模様を作るために必要な「選別」という行為が動物虐待であると問題視されている話が紹介されました。「ほかの国にはできない日本の優れた技として、文化の重要性、経済的・社会的重要性は分別されなくてはいけない」という訴えに、来場者も大きくうなずいていました。
どこからが虐待なのかという線引きが難しい問題に、質疑応答も含めて熱い議論が交わされた勉強会は、「動物に対する愛情は、愛護団体よりも我々の方が持っているということを積極的に伝え、広い理解を受けるような努力を継続していかなければならない」という呼びかけで閉会となりました。
この勉強会は、今後も予定されています。小千谷市の伝統文化を後世に残していくためにも、共に学び、考えてみてはいかがでしょうか。
講師の林良博さん | おおぜいの方が熱心に話を聴いていました |